ふたつだったたましいがひとつにわかれた



この人にも心があると知ったのは分かれた後でした。



別れる前はそんなふうに思わなかった。



わたしたちは別の人間であり、別の人間は別のことを考えるものなのだ。


私のきをくを全て あなたにあげたい


あなたのきをくを全てください


微生物のように体液を交換し、

そして二人で乾杯しよう




ひとつの時代が終わったということをどういうふうに説明したらいいのかわからない


はげしく時間が「いま」に巻き戻って、わたしはいまわたしのひとつの時代が終わったことを感じているというのに


心に風穴が空いた。


だからもう立っていられない。



猫がなめくじのように通り過ぎた


緑は不定形できたらならしい


のろいがかっているから


沈没中の船のように

人をのろったから。




 ■


ときどきちゃんとここにいるのかなあと思う


なんかだんだん別の人になってきちゃってるみたい


そんな死亡事件、裁判にならない


そんなふうに人知れず死んでいく


お墓と、体のない人たちに、


レクイエムをささげましょう



 ♪もーーーーやめたーーーー
 ♪せかいせいふくやめたーーーーー




なんかカオも変わってきてる気がするんですよ


うーん   私ってこんな名前だったっけ?


うーん うーん  なんか人格も前と違うし


なんかへんなんですよ なんかきぐるみ着てるみたいな


いつのまにこうなっちゃったのかなあ


ここはどこなのかなあ


 ■


船の上でお風呂に入った。

露天風呂。すっごい贅沢。


足をびよーんと太陽に向けて伸ばした。


やわらかいベールのような風が触れた。


海も空もお風呂も、水の青。

霧のようなぬくもりのなかを宙に浮いて進んだんだ。


それから世界が丸くない世界のことを考えた。


ずっとずっと続いているの。


ずっとずっとずっとずっとずっとずっと

続いているの。


その果てをめざして

めざして、めざして、めざして、めざして、めざして


めざしていくの。




  ■


なんかばかばかしいことなんだけどさー

私、ほんとうに私が「サトラレ」ではないか?
と思うことがよくあって、本当に疲れる。

あ、サトラレっていうのは漫画で、心で思っていることが
ほかの人にわかっちゃう人のことで、その人には、
そのことは内緒なのね。

「そんなことありえない」っていう証拠はないわけよ。

いや常識から言ってありえないとかさ、

あのときああ思ったことばれなかったとかそういうことは
あるんだけど、

それでもやっぱり「サトラレ」状態になることが
よくあってさ。

本当にサトラレじゃなかったらありえないこととか
あるの。。。


かんちがいなのかな????

でもやっぱりそうなのかな????

そんなわけで、

なんか心のなかでずっと自己弁護してんね。


悪いこととか、悪口とか、ちょっと考えると、
心のなかで「いや。いい意味で」とか意味不明のフォロー入れてんの。

いい意味で、ってどういう意味やねんとか思うけれども。

なんかほんとうに超自意識過剰でイヤなんだけどさー。

自分に都合いいこととか、こうなったらいいなーみたいな
赤面ものの妄想があたまに浮かぶと、
必死で脳内でとりけしたり。「今の嘘!!!」とかいって。


なんかばかみたい。

なんか疲れるよー。

やっぱりあたしサトラレじゃないよね?

だれかに本当に聞いてみたいんだけど
その人がほんとのこと言うとは限らないし。