冬の薔薇 (創元推理文庫) (文庫) パトリシア・A・マキリップ (著), 原島 文世 (翻訳) http://www.amazon.co.jp/dp/4488520103/うーーー わーーーい!!!! 楽しみだーーー!! あと、楽しみといえば、今日 『ワンダと巨像』『ICO』のチームが手がけるPS3ゲ…

コニー・ウィリスの『航路』を読んでいて、 『ドゥームズディ・ブック』とも通底する この書き手の「関心のありか」みたいなのを感じてる。ここで、現実のとらえかたに、 「現実そのもの(流れる時間)」と「お話(ストーリー)」と 二つあると、おおざっぱ…

映画にはじめてBGMがついたときに、 ひとびとは思ったんだそうです。 「どうして現実にはBGMがないんだろう」と。 i p o d にき み の う た ご え を 入れてア ス ファルトにブロ ッ ク 塀 にツツジのうえこみにざっそ う にゴミ 捨 て 場 に京 王 線 に 煙…

ぎょくがんレンズのなかに入り込んだとき。 火が水のようにみえ、水が火のようにみえました。 *薄くなった石鹸。 こぼれおちた蝋。 死んでから千年たった貝たち。 鳥がとまる骨。 *ギリシャ彫刻の大理石の瞳。 暗闇にねむる石英。 光を透かして水を見る珊瑚…

最近あったことですか。飴がとけてました。誕生日にもらったのですが。箱の中で、ひとつに溶けて固まっていました。飴の中に、ひとつの島とそこに降る雨がみえました。さわさわさわっと、頭にふれる雨足を感じる。そう。この感覚にはおぼえがある。あるです…

"'I'm writing a book on magic,' I explain, and I'm asked, 'Real magic?' By real magic, people mean miracles, thaumaturgical acts, and supernatural powers. 'No,' I answer. 'Conjuring tricks, not real magic.' Real magic, in other words, refe…

擬態

このビデオおもしろいよ 「水中の驚き」 by デイビッド・ガロ http://www.ted.com/talks/lang/jpn/david_gallo_shows_underwater_astonishments.html 擬態ってほんとうにおもしろい現象だよね。海野和男のデジタル昆虫記 (擬態してる虫のフォトギャラリー)…

あなたのメールの意味が、千回もうらがえるから わたしのしんぞうはもちません。わたしは千の徴候をよみとるけれど、現におきていることはよみとれないという、特殊能力の持ち主であるため、目隠しして歩いているより、なお始末が悪い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−…

[ふと、校舎から合唱が聞こえてくる。木漏れ日みたいに。とりあえず近寄る。 それはなんというか体験したことのない時間の、思い出みたいなんだ。 「こうした時間があったことを、いつか思い出す日がくる」という物語の、「こうした時間」がそこにあるという…

たなごころの中に街があり、街の窓はすべて、 海のほうに向かってひらかれている。 シルクを広げたやうな海は より、もどして。より、もどして。 なゆたの鈴を、とおくで ちりぢり鳴らしているかのようなせみも。はんぶんぐらいしか、心がなくて。町々をつな…

ふたつだったたましいがひとつにわかれた この人にも心があると知ったのは分かれた後でした。 別れる前はそんなふうに思わなかった。 わたしたちは別の人間であり、別の人間は別のことを考えるものなのだ。 私のきをくを全て あなたにあげたい あなたのきを…

隕石をみたんだった。宇宙はさむかったのか。かさぶたのようにとけた銅のような金属で 覆われたような岩。こんなものが足をつけたことのないこんなものが縄文土器ってなんか不安なのは、それはあの形が 置くのに適してないからで。(たぶん埋めたり、 かまに…

2009年の人間たちが 何をしていたかということは 私のあずかり知らないことだが ずいぶんまえから私は グーグールマップとよばれる 21世紀の「古文書」をあさっていて アメリカはハリウッドのプール・サイドで性交する 複数の男女をうつした 一枚をみつけ…

平日何をしているのかわからないよ とても平面的なキャラクターになってしまっている こころから何かを言ったりしていない ちゃんと現実に生きて、感じ、言葉を発している人をとても尊敬する そういうことができる人は、つまり本当のにんげんは 本当は少なく…

借金が棒引きされること

先日、「プロフェッショナル」というテレビ番組で借金をかかえた会社をたすける弁護士の活躍をみた。1億円くらいの借金が20万円くらいに棒引きされていた。いっしょにテレビをみていたひとが「えー、そんなんでだいじょうぶなの? どういうこと? お金が…

鉄をあついうちに打たなかったので冷えてしまいました。 スチュアート・ダイベックが、柴田元幸との対談で、 「なつかしい」ということばが英語になかったのは幸いだった。 もしそのことばがあったら、私はそれをめぐってのすべての物語を書かずに 「なつか…

あけましておめでとうございます。グレッグ・イーガンの新刊『tap』を読みました。表題にもなってる短編「tap」はすべてをあらわすことができるオルタナティヴな言語をあやつる新人類の登場をえがいた佳作で、それをつかえばことばであらわしようのない「この…

年月っておそろしいくらいすばやく流れていくのねん。犯罪的だよこりゃー。 ともすると昨日食べた食事のことすら思い出せもしないのだから二年前のことなどとおい ゆめのなかぁーであって例えば、2000年になにしてた?とか言われて思い出せることが ああ…

こんにちは。 先日、いいことがあったので記念パピコだよ☆☆☆アンディー・メンテのじすさん(泉和良さん)の小説が発売されていました。 講談社BOXから『エレGY』というタイトルです。ほんとうに信じられないよ。 うれしいよ。 商業的に認められると思っ…

最近のこと(1)「オアシス」という韓国の映画が面白かったです。すみません。ぜんぜん違うじゃん、と言われること覚悟で言えば、これは純度1500%の大島弓子じゃん……と思いました。エッセンスを感じる。というかもう、この角度は。いくつか、思い出す…

4月20日。何かわれを忘れて読むようなものを読まないとやってられないと思ったので桐野夏生を読んでいます。 舞城王太郎「みんな元気。」のラストは人はみな可能性の首を切って切りながらあたりまえに生きている、でも愛があるから大丈夫!!!というもので、…

だんだん本の紹介になっていく…… ◎野村誠『路上日記』(ぺよとる工房/CDつき)を読んだ。 思春期の都市で暮らしてみたい――からはじまる、けんばんハーモニカの路上演奏をする作曲家の日記だ。最初は誰も立ち止まってくれないものの、サザエさんのテーマを演…

爪先立った朝日落ちるとき折れる枝と水のほとりで。今日は行けないよ。たぶん・たぶん明日も。水色の給水塔に登りました。東京タワーが見えた。上空は風が強く太陽が落ちようとしていて細い月が白く傷のようにあった。腹の底から笑い出そうとした。面白い。…

http://jp.youtube.com/watch?v=rTKLIv3SiRk&feature=related アリスが死んだ。 その日から、私はすこしづつ学び始める。 いちばんまえを歩くことを。 進む方向を自分で決めることを。 私たちの一家は、いつも夏、水辺にむかった。 荒野をつっきって。 いき…

構造体とラベルがベッタリしている場合には、自由や可能性はない。バナナをみるとバナナと発音するオウム。ラベルと構造体を分節できるということでもまだ十分じゃない。オハヨウ。今日は晴れているね、と晴れている日に常に話すオウム。曇っている日には今…

さいきん。みる夢は父親に性行為を見つかる夢だ。いろんなパターンがあり昨日は「おまえ金をだしなさい」「なんで」理由を言わない。なかなか言わない。「わかるだろ」「いや、ぜんぜんわからない」それからしばらく沈黙があって電灯かなにかがジジっと揺れ…

『鬼が来た』をビデオでみた。たぶん最後まで油断できないぞと思って、油断しなくて良かった。殺したり殺されたり、味方になったり敵になったり、捕虜になったり捕虜にされたり、喜んだり泣いたり、悲劇と喜劇が、反射して、交じり合って、決着がつく。日本…

幸せのおき火がゆっくり冷えていく。 温かいものを抱えて電車を降りる。忘れないように・忘れないように。 ここで、山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』(河出書房新社)をなかなか面白く読んだことを記しておこう。 いやいや、ほっこりしました。 「メ…

忘れていたなあ。街路樹のイチョウがいつのまにか黄金に変化していた。この季節の空気はきんきん音をたてそう。新しい紺色のコートにタータン・チェックの短めのスカート(折り目正しく)、伸びた足、紺のハイ・ソックス。口が隠れるくらいに巻きつけたマフ…

毎日家に帰るときだけ前に町が見下ろせる下り坂を通る 電線がゆるやかに下る。接続という言葉を思い出す。 おだやかな波のような、やわらかなカーブ。大体三十歩くらいで渡り終えてしまうのだけれど。 そうその公園を抜けて、坂を下りると、あとはゆったりし…