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[ふと、校舎から合唱が聞こえてくる。木漏れ日みたいに。とりあえず近寄る。
それはなんというか体験したことのない時間の、思い出みたいなんだ。
「こうした時間があったことを、いつか思い出す日がくる」という物語の、「こうした時間」がそこにあるという感じがする。
思い出の無い人間が、思い出を分けてもらえるような気がする。
だから、とりあえず近寄る。……その価値さえないのに。]
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ふたつだったたましいがひとつにわかれた
この人にも心があると知ったのは分かれた後でした。
別れる前はそんなふうに思わなかった。
わたしたちは別の人間であり、別の人間は別のことを考えるものなのだ。
私のきをくを全て あなたにあげたい
あなたのきをくを全てください
微生物のように体液を交換し、
そして二人で乾杯しよう
ひとつの時代が終わったということをどういうふうに説明したらいいのかわからない
はげしく時間が「いま」に巻き戻って、わたしはいまわたしのひとつの時代が終わったことを感じているというのに
心に風穴が空いた。
だからもう立っていられない。
猫がなめくじのように通り過ぎた
緑は不定形できたらならしい
のろいがかっているから
沈没中の船のように
人をのろったから。
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ときどきちゃんとここにいるのかなあと思う
なんかだんだん別の人になってきちゃってるみたい
そんな死亡事件、裁判にならない
そんなふうに人知れず死んでいく
お墓と、体のない人たちに、
レクイエムをささげましょう
♪もーーーーやめたーーーー
♪せかいせいふくやめたーーーーー
なんかカオも変わってきてる気がするんですよ
うーん 私ってこんな名前だったっけ?
うーん うーん なんか人格も前と違うし
なんかへんなんですよ なんかきぐるみ着てるみたいな
いつのまにこうなっちゃったのかなあ
ここはどこなのかなあ
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船の上でお風呂に入った。
露天風呂。すっごい贅沢。
足をびよーんと太陽に向けて伸ばした。
やわらかいベールのような風が触れた。
海も空もお風呂も、水の青。
霧のようなぬくもりのなかを宙に浮いて進んだんだ。
それから世界が丸くない世界のことを考えた。
ずっとずっと続いているの。
ずっとずっとずっとずっとずっとずっと
続いているの。
その果てをめざして
めざして、めざして、めざして、めざして、めざして
めざしていくの。
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なんかばかばかしいことなんだけどさー
私、ほんとうに私が「サトラレ」ではないか?
と思うことがよくあって、本当に疲れる。
あ、サトラレっていうのは漫画で、心で思っていることが
ほかの人にわかっちゃう人のことで、その人には、
そのことは内緒なのね。
「そんなことありえない」っていう証拠はないわけよ。
いや常識から言ってありえないとかさ、
あのときああ思ったことばれなかったとかそういうことは
あるんだけど、
それでもやっぱり「サトラレ」状態になることが
よくあってさ。
本当にサトラレじゃなかったらありえないこととか
あるの。。。
かんちがいなのかな????
でもやっぱりそうなのかな????
そんなわけで、
なんか心のなかでずっと自己弁護してんね。
悪いこととか、悪口とか、ちょっと考えると、
心のなかで「いや。いい意味で」とか意味不明のフォロー入れてんの。
いい意味で、ってどういう意味やねんとか思うけれども。
なんかほんとうに超自意識過剰でイヤなんだけどさー。
自分に都合いいこととか、こうなったらいいなーみたいな
赤面ものの妄想があたまに浮かぶと、
必死で脳内でとりけしたり。「今の嘘!!!」とかいって。
なんかばかみたい。
なんか疲れるよー。
やっぱりあたしサトラレじゃないよね?
だれかに本当に聞いてみたいんだけど
その人がほんとのこと言うとは限らないし。
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隕石をみたんだった。
宇宙はさむかったのか。
かさぶたのようにとけた銅のような金属で
覆われたような岩。
こんなものが足をつけたことのないこんなものが
縄文土器ってなんか不安なのは、それはあの形が
置くのに適してないからで。(たぶん埋めたり、
かまにセットしたんだろうけどさあ)
隕石にさわってみたかったが
ドライアイスのようにさわってはいけないもの
液体酸素のようにつめたいもの
手をふれたら酸でとけそうな気がしたのよ
この星はこの肌の熱のうっとおしさをしらないのだ。
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追記
こないだ宇宙はそんなに寒くないことがはんめいした。
熱をつたえる空気がないから、
そんなに寒くないんだってさー
でも血液中の窒素が沸騰するから、
人間はすぐにしんじゃうんだって。
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このページおもしろい
http://www.jamesgunn.com/evolution-fucked-your-shit-up-the-worlds-50-freakiest-animals
世界のへんな動物50.
ガラスみたいなかえるとかすごいよ
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2009年の人間たちが
何をしていたかということは
私のあずかり知らないことだが
ずいぶんまえから私は
グーグールマップとよばれる
21世紀の「古文書」をあさっていて
アメリカはハリウッドのプール・サイドで性交する
複数の男女をうつした
一枚をみつけた。
その朝日に照らされた一群の彫像は、
私の胸をふしぎにうち、
しばらくデスク・トップに飾っていたほどだ。
この
欲望が
いつまでも
空に、
宇宙に、
塔のように、
城のように、
さらされていますように。
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自由意思がないということを
感じることがむずかしいように
時間がないということを
感じることもむずかしい
だからこれは
べつに実在とか事実とかのもんだいではなく、
たんに想像力のもんだいで、
そこにあるものをそこにあるものとして
ただここにあるものはここにあるものしかないものとして
一瞬、感じてみる、というこころみ
のことなのです
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4時だというのに
ねむれません。
ねむいんだけど…
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怪獣のはらのそこのようにグルグルとうなって、
外が、ぴかぴかとひかった。
あめは体内を流れているかのよう、だ、いつも、
耳元にささやきかけてくる。
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ところで。
『宇宙を織りなすもの』はマジおすすめです。
この宇宙が、こんなふうにできてるのかぁ…とわかって
面白いんだけど、ちょっとこわくなる。
永劫回帰とかって考えるとカンベンしてくれよってかんじに
なるじゃん、そういうかんじに。
デジャ・ヴュとか、おこると、(わたしはよくおこるのですが)
一瞬、きもちわるくなる。なんか(世界と)ずれてしまったようなかんじがして。
というか、逆か?
あまりに「はまってしまって」いるような気がしてきもちわるいんだ。
それで、アカシックレコードってやっぱあるんじゃん、とか
そのたび一瞬おもう。
で、これの上巻のアインシュタインの時空についての説明を読むと、
過去も未来も、いまこのしゅんかんにもつねにすべてあらかじめ「実在している」……
と考えられる、ということがよくわかる。
ね、こわいでしょ。
ほかにもびっくりするようなことが書いてあるよ。ふふふ。
量子力学とかのポピュラーサイエンス本を読んでると、
「隠れた変数」があって、(=モノはちゃんと存在してるけど)
人間はそれを知りえないだけなのではないの、と思うことがあって
(アインシュタインもそう考えた)
よくわからんなあと思ってたんだけど、そうじゃない、ということもわかる。
あと、翻訳がめっちゃうまい。
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寮長のW・S・グッドウッドが
それをくだらないと評するのはわかる。
(でも人生なんてくだらない、よね?)
しばらくすると私はそれに飽きて、
トルコからインドへ移動中の
絶滅した動物たちを追う、
もう少しは高尚なムーヴィを流していた。
それにしてもこれにうつるやつら、
どいつもこいつも狙撃されそうに見えるのは
どうしたことだろう。
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平日何をしているのかわからないよ
とても平面的なキャラクターになってしまっている
こころから何かを言ったりしていない
ちゃんと現実に生きて、感じ、言葉を発している人をとても尊敬する
そういうことができる人は、つまり本当のにんげんは
本当は少なくて
たいていはわたしのように、日中は反射熱でゆがめられ
感じることはおろか思考さえしていない
薄氷ほどの操り人形なのではないか……という疑惑が
再度、あたまをもたげている
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きょうはでも星がいっぱいついた服を買ったからいいや
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時間というのは本当は存在しないと私は思っている
たんなる便利な道具だと思う。
時計は時間をはかってるのではなくて単に動いているだけだ。
未来は「やってきたり」しないし、
過去は「すぎさったり」しない。